障がいのある生徒が高等部卒業・修了後に、企業就職または 就労移行支援A型への雇用を目指す場合、多くは高等部1年から始まる[産業現場等における実習]を現地にて行い、障がいの様子や 仕事に携わる力などを現場担当者が確認した後、最終的に人事担当者が採用試験(企業、官公庁は高等部3年の9月以降、就労A型は1月以降の実施を高卒者の採用ルールとしています)を行います。

 

そのため、まずは生徒の希望や実態に合った職種、内容、適性、場所などを考えて[産業現場等における実習]先を探すことになりますが、視覚に障がいがある場合は、工場や店舗、治療院において、通常の製造ラインや事務、販売や理療の仕事にそのまま入ることが難しいため、仕事を新しく切り出したり、業務を部分的に変える必要があります。場合によっては視覚支援機器の準備や 専用スペースの確保、現場従業員の理解や 指導者の育成が必要になることもあります。

上記の理由等により、[産業現場等における実習]の受け入れから消極的な姿勢をとる企業がまだ多いのが現状です。

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本校では、ハローワークや 愛知県就労アドバイザー、また障がい福祉関係機関の情報を活用し、希望する職種の企業や 就労A型事業所、官公庁の人事担当者等に、進路指導部の職員がまず電話で連絡を取ります。その後、可能であれば生徒の様子や 仕事に関わる能力を来校して見ていただいたり、本校職員が直接事業所に出向き、個々の生徒の障がいの説明や 職場の確認、新しい仕事の提案をする取組を行っています。
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こうした職場開拓を行う中で、[産業現場等における実習]の受け入れをしていただける企業が少しずつ増えていることを実感しています。ただし、自家用車での移動が中心となる三河地区の交通事情として、職場や自宅周辺の公共交通機関網が不十分であったり、音響式信号機や 歩道の整備が遅れていたりするなど 一人での歩行が慣れていない生徒によっては通勤面が課題になることもあります。この点においても必要に応じて送迎車の確保など視覚障がい者への支援として企業や官公庁に要望しています。
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なお、就労継続支援A型 を除く障がい福祉施設(生活介護、就労継続支援B型、就労移行支援 等)については、現在、三河地区の多くの事業所が見学の受け入れを積極的に行っていることから、まずは生徒・保護者にいろいろな施設を見学していただいています。その後、希望する施設へ進路担当者や担任から生徒の実態や配慮事項を伝え、[産業現場等における実習]の依頼を行います。なお施設側で依頼が受け入れらない場合や 条件が合わない場合は、生徒・保護者と進路相談のうえ、新たな進路開拓を進めていきます。